不安はのどでかき消せ
のどは漢字で書くと「喉」と「咽」という二つの書き方があります。
医学的に言えば「喉」は呼吸や発声に関係している「のど」であり、「咽」は食事の飲み込みにかかわります。
多くの人はこの「喉」と「咽」を区別していません。
耳鼻科に行ったことがある方はわかるかと思いますが、耳鼻科は正式には耳鼻咽喉科と書きますが、耳、鼻に対してのどには二つの漢字「咽喉」をあてています。
物を飲み込むという行為は人体にとってはとても重要です。
ものを飲み込むことを、嚥下という言葉で表現されますが、年齢や病気によってはこの嚥下という機能が落ちてしまうことがあります。
「誤嚥」と表現されますが、食事が「咽」ではなく「喉」に入ってしまう状況です。
「咽」の先は食道、胃と言った消化管ですが、「喉」の先は肺になります。
このように飲み込むという行為は生と死に直結している行為でありますので、一口一口が大きな意味を持ちます。
食事が喉を通るという行為には不安を和らげる作用があります。
緊張した状況のときに生唾をごくりと飲み込むという表現があると思います。
これは、飲み込みという動作をすることによって緊張をほぐす効果があります。
喉元過ぎれば熱さを忘れるということわざもあるぐらいですので喉を物が過ぎることができるかというのはとても重要な問題です。
喉に過度な緊張がかかっていることは身体の緊張状況を扁桃体に伝えていることになります。
食事をたくさんとってしまうと栄養を取りすぎてしまうことになるかもしれませんが飲み込む回数をたくさんできるということは扁桃体にとっては良い刺激となります。
思考の整理学という本の中に、「ヤケ酒ほどではないにしても、口に物を入れることでそれまで頭にあるものを流し、整理できる。忘れる効果がるのだろう」という言葉が出てきます。
これはとてもするどい視点と思います。
飲み込むということで咽頭の緊張が緩和されその刺激が扁桃体に伝わり、情動を引き起こします。
もともと、扁桃体は海馬という記憶をつかさどる神経と密接なつながりがありますので記憶に関連する刺激を伝えることにもつながるからです。
作業に没頭しているときに片手にお茶屋やコーヒーを飲んでいる人は多いと思います。これも習慣としてのどを潤すことにより、緊張感を説く行動の一つといえます。
このような事を言うと、お茶がいいのかコーヒーがいいのかとかカフェインのとりすぎになるなどと反対する方もいるでしょう。
しかし、大事なのは中身の成分の違いではなく飲み込むという動作そのものということになります。
水筒やペットボトルを持ち歩いていつでも口に含めるように備えておくことは重要です。
突発的な緊張状態のときにのどを潤すことができます。食事はこまめに丁寧に飲み込むとことを心がけましょう。
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